令和6年10月 院内全体研修「在宅介護でのオムツの選択」
R6.10.25
シリーズ4回目となる排泄ケア勉強会では、ユニ・チャーム株式会社より講師に来ていただき研修を行いました。
【講義内容】
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ADLと失禁の程度から大きく3つのタイプに分けて考える
【 失禁の4症状 】
- 腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁・溢流性尿失禁・機能性尿失禁
【 ADLの状態 】
- 軽度 = 自立している → 軽失禁ライナー・軽失禁パッド
- 中度 = 1人で歩ける・介助があれば歩ける/立てる/座れる → パンツタイプ
- 重度 = 寝て過ごすことが多い → テープタイプ
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3タイプの失禁について
- 軽度 = 自立している → 軽失禁ライナー・軽失禁パッド
- 中度 = 1人で歩ける・介助があれば歩ける/立てる/座れる → パンツタイプ
- 重度 = 寝て過ごすことが多い → テープタイプ
【感想】
当院で採用されているセットレンタルのオムツセットは、インナーもアウターも、それぞれ同一メーカーの物なので、組み合わせによる選択肢の多さや機能性が担保されているが、入院中に市販のオムツの持ち込みを選択する場合、もしくは退院後や在宅での介護を行うにあたり、その人に合った最適なオムツの選択という点で、医療従事者でない患者家族にはその判断が難しいケースがある。
市場には様々な症状に対応できるように、多種多様なオムツが売られているが、その人に合ったオムツの選択ができる知識がないと、その選択肢の多さが足かせとなり、間違ったオムツ選びに直結してしまう。
物価が高騰している現代では、オムツ代にかかる費用も家計の負担になるため、機能性よりもできるだけ安価な物を、と販売価格による商品の選別をする場合もあるだろう。安価であっても、本来、その人に必要とされる機能性が兼ね備えられているならば問題ないが、そうでない場合、ADLや失禁の度合いに対して不適切なオムツを装着することで、歩行の妨げによる転倒、排泄物の漏れによる汚染や、重篤な皮膚トラブルを招くこともある。その人に必要なオムツを選択できることは、病院であれ在宅であれ、その人間のQOLにおいて非常に大切なことである。
と、それらしくまとめてはみたものの、そのことを医療従事者でない患者家族、特に新規で介護に関わるような人たちに対して、きちんと理解していただけるように説明するのは実は難しい。
今回の研修は、オムツメーカーならではの色々なデータを元に、非常に説得力のある説明がなされていて、現場で働く我々も大変勉強になったと同時に、家族さんへの説明の指標として活用できる素晴らしい研修だった。