令和6年6・7月院内全体研修 テーマ「感染対策の基本と標準予防策」
R6.7.9
西条中央病院より感染管理認定看護師である近藤啓司先生・千場美保子先生にご講義をお願いしました。
【講義内容】
感染は、
- 病原体(感染症を起こす要因)
- 病原巣(病原体が生存する場所)
- 病原体の出口病原体が通る場所(排出門戸)
- 感染経路
- 病原体の入り口病原体が入ってくる場所(侵入門戸)
- 宿主(感染する人)
この6つの要素が1つになった時に感染成立となる。
このどれかが欠けると成立せず感染は起こらない。
感染を予防するには…
全ての人に行う『標準予防策』と、感染症の種類に応じた『感染経路別予防策』を行う。
標準予防策とは、全ての人の
- 血液
- 体液(痰・鼻水・唾液・腹水・胸水)
- 汗を除く分泌物(膿・膿や浸出液が付着したガーゼ)
- 排泄物(便・尿・嘔吐物)
- 健康ではない皮膚(傷のある皮膚)
- 粘膜(結膜・眼脂)
は、感染性があるものとして対応すること。(直接触れない)
直接触れる、触れる可能性がある時は必ず手袋などの個人防護具をつける。
手指衛生を行う。
【感想】
今回の講義では、感染のメカニズムから感染対策の意義、手指衛生のタイミングや方法、防護用具の選択と着用方法まですごく勉強になりました。
特に印象に残っているのは、標準予防策を感染の有無に関わらず、全ての患者さんに正しく行うことで、自分の身体だけでなく感染の経路を断ち、患者さんを病原体から守ると言うことに繋がるので手指衛生は正しいタイミングで実施し、個人防護具は適切に選択し、正しい着脱手順で実施出来るよう努めていきたいと思いました。
令和6年9月 院内全体研修「褥瘡対策の基本について」
R6.9
公立学校共済組合四国中央病院より皮膚・排泄ケア特定認定看護師の髙橋先生にお越しいただきました。
【講義内容】
褥瘡とは、身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させ、この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる。
褥瘡発生要因には、圧迫・摩擦・ずれがあり4つ目の要因としてMicroclimateへの対応(体圧分散用具選択時に温度・湿度の管理機能とカバーの質まで考慮すること)が国際ガイドラインで推奨されている。
褥瘡予防のポイントは、ねたきり・るい痩・骨突出・関節拘縮・低栄養・皮膚湿潤・浮腫・圧迫が原因となる褥瘡に対するケアは、骨突出部への体圧分散。げ膚に対するケアは、スキンケアと栄養を調整すること。
褥瘡予防対策は、圧迫・ずれの除去、体位変換とポジショニング、体重がかかり圧迫されている部分へ介入し体圧分散させること。2時間を超える圧迫は避けること。ポジショニングで接触面を広くすることである。
褥瘡治療には、保存的・外科的・物理治療がある。
褥瘡の形状で、円形・楕円形の場合の原因は、局所への均―な圧迫が関連する。その対策は、圧迫を除去すること。蝶型の場合は、頭部挙上や座位に関連した創にみられる。その対策は、ギャッチアップ時や座位時のずれの解除(背抜き)。地図状の場合の原因は、局所への摩擦とずれ、および皮膚の浸潤が関連した時にみられる。対策は、摩擦とずれの予防と湿潤予防である。線型の場合の原因は、臀部引き上げ動作などによる鋭利な力により発生する。対策は、オムツの引き抜きなどの見直し。
【感想】
研修を受講し、改めて体位変換とポジショニングが大事なのが分かりました。褥瘡を作らないために、基本に忠実にケアしていきたいと思いました。