薬剤についての勉強会、第2弾の今回は「簡易懸濁法」ということで薬局の薬剤師三好さんの講義がありました。
まず、簡易懸濁法を行う際には栄養の投与方法を決め、その後経口か経管栄養かによって薬の「剤形」が決まるそうです。
経口での嚥下が困難な場合や経管栄養の場合に簡易懸濁法可能な錠剤に限り実施されます。
簡易懸濁法とは
- ・錠剤やカプセルを粉砕・開封せずに、そのまま、温湯(約55℃)にいれ、崩壊混濁させて投与する方法
温湯の作り方
- ・お湯……ポットまたは給湯室のお湯
- ・水………当院では詰所の清潔蛇口の水または給湯室の水
- ・お湯と水を2:1で混ぜる
簡易懸濁法の手技
- 薬を容器に入れる
- 温湯を作って、約20ml入れる
- 10分放置
- シリンジで吸い取る
- 投与する(経管時はチューブへ)
(経口時はスプーンで一口ずつか、コップで飲む)
- 最後に、水を20~30ml吸い取り、シリンジ内の薬を完全に注入する
☆注意点☆
- 必ず水道水を使う(硬水のミネラルウオーターだと、イオンが影響して凝固したり薬に変化を与えてしまう場合があるため)
- 必ず温湯で溶解する(高温で凝固する薬もある)
- 温湯は20mlで(錠剤が多いときは20ml以上で)
- 10分以上放置しない(10分以上放置した場合の安定性は保証できない)
- 栄養剤と混ぜない
- 水薬は別で注入(一緒にすると温湯の温度が下がるため)
- 塩化ナトリウムは単独で(凝固する可能性があり)
- マグミットは注入直前に入れるか、別注入(マグミット溶解液はアルカリ性で他の薬剤に影響する)
- 注入後フラッシュを忘れない(チューブ閉塞の恐れ)
今回簡易懸濁法の研修があり、改めて手技の見直しにもなりました。今後患者さんの内服方法を検討する際の参考にしていきたいと思います。