日本赤十字社より講師をお招きして、輸血用血液製剤の取り扱いについて講義をしていただきました。
- 輸血の種類と特徴
- 赤血球製剤(RBC)容量:約280ml 有効期限:採血後21日間
- 貯法:2~6℃
- 注意:溶血や凝固、変色など外観上に異常を認めた場合には使用しない
- 血漿製剤(FFP) 容量:約240ml 有効期限:採血後1年間
- 貯法:-20℃以下
- 注意:凍結製剤であるため、雑に扱うと破損しやすいため取り扱いには注意が必要
- 血漿製剤の融解:破損がないことを確認してビニール袋に入れたまま30~37℃の温湯で融解する。
- 注意:低温→沈殿(クリオブレシビテート)が析出する場合がある
高温→蛋白質の熱変性によりフィブリンやフィブリノゲンの変性したものが生じ使用できなくなる
-
- 血小板製剤(PC)容量:約200ml 有効期限:採血後4日間
- 貯法:20~24℃で振とう保存
- 注意:凝固など外観上に異常を認めた場合は使用しない
輸血実施時の観察(副作用)
- 輸血をする前に…患者と血液の確認(必ずID認証する)
バイタル測定(体温・血圧・脈拍・SPO2)
- 輸血開始5分間…ベッドサイドで観察 (輸血速度は1ml/分)
- 輸血開始15分後…再度様子観察(輸血速度は2~5ml/分)
副作用発生時
特に注意すべき発熱を伴う副作用
- 輸血中に39℃以上、または輸血前より2℃以上の体温上昇→輸血の中止
アレルギー反応
- 軽症…皮膚粘膜症状のみを呈するアレルギー反応
- 重症…アナフィラキシー(皮膚粘膜症状∔呼吸器・心血管系症状)
最後に輸血の全般的注意事項
- 取り違え防止のために準備や実施は1回に1患者、2名で照合を行う
- 輸血開始後少なくとも5分程度ベッドサイドで観察
- 輸血開始15分後と輸血終了後に患者を観察
→輸血副作用が出現した場合には直ちに輸血を中止する。