村上記念病院


院内勉強会
「感染性胃腸炎〜ノロウイルス〜」
  H23.1.18.

 株式会社アスティスの方に講義していただきました。
 冬の季節に流行するノロウイルス。その正しい知識と予防対策を学びました。
 まず、ノロウイルスは手指や食品を介して経口で感染し、人の腸管で増殖、嘔吐・下痢・腹痛等を起こします。健康な方は軽症ですが、子供や高齢者等は重症化したり、吐物を誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。ノロウイルスは遺伝子の型が多い上、人が唯一の感受性動物のためワクチンがなく水分と栄養を補給する対症療法に限られます。
 ノロウイルスによる感染性胃腸炎と食中毒は、一年を通して発生しますが、特に冬季に流行します。感染性胃腸炎は汚物や便から人の手指を通して感染し、一度患者が出ると長い間発生します。食中毒は、症状を示す複数患者に共通食があり、短期間で多数発生し急速に終息します。ノロウイルス食中毒の予防は、加熱が必要な食品は中心温度が85℃以上で1分間以上加熱する、食品取り扱い業者や調理器具等からの二次感染を防止することです。
 また、井戸水にノロウイルスがあり、共同で使用したり、ノロウイルスに感染している人を介して汚染された食品を食べて感染する場合等多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。  ノロウイルスに対してはアルコールは効果がなく、次亜塩素酸ナトリウムで適切な消毒処理をします。また、衛生的手洗いをしましょう。常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石鹸を十分泡立て、手指を洗浄します。温水による流水で十分にすすぎ、清潔なタオルやペーパータオルで拭きます。
 ノロウイルスは感染力が強いので、日ごろから体力が落ちないように心がけましょう。




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