◆村上記念病院糖尿病新聞 2012年10月12日発行
心も体も若返る 〜スープとジュース〜
講師:管理栄養士

 皮をむいたりんごを放置しておくと変色したり、鉄が水にぬれて錆びついたりするように、人間の身体でも錆びつき(=酸化)は起こっています。
 健康長寿を実現するためには、抗酸化物質をしっかり取り入れて脳や体の老化を促進させる錆びつきを防ぐことが大切です。

<健康長寿のために積極的に摂りたい食材とは>

*新鮮な野菜や果物
  • 酸化を防ぐ抗酸化物質が豊富・・・体内で発生した活性酸素の除去に有効
  • 血糖値を急激に上げない
  • ある程度の満腹感があり、カロリー制限のある方にもおすすめ
野菜や果物に多いフィトケミカル・・・
  • ザクロのポリフェノール
  • 大豆イソフラボン
  • 緑茶カテキン など

植物が外敵から身を守るために作り出す成分。
(主に野菜や果物の苦味や香り、色素成分のこと)
植物の皮や茎に多く、摂りにくい!

<フィトケミカルを上手に摂取するために>

*ミキサーでペースト状のジュースに
  • 皮や茎まで無理なく食べられる
  • 生野菜をそのまま食べるのが苦手な方でも、多種類の食材を一度に摂れる
  • 色の濃いのもや、旬の食材を意識して摂る

<それぞれの食材の効果>

*りんご・・・血圧を安定させるカリウムや、整腸作用のある水溶性食物繊維ペクチンなどが豊富
        コレステロール抑制に効果のあるりんごポリフェノールは皮の下に凝縮!
 
*バナナ・・・ブドウ糖、ショ糖、果糖など多種類の糖質が含まれ、それぞれ吸収される速度が
        違うため長時間エネルギーとして利用できる。便秘改善、血圧安定にも効果あり。
 
*にんじん・・・βカロテン(ビタミンA)が豊富で、皮膚や粘膜を守る働きがある。
        脂に溶けやすいため、オリーブオイルと一緒にとるとよい。
 
*オリーブオイル・・・エクストラバージンオリーブオイルがおすすめ。ビタミンA、K、Eが豊富。
        善玉コレステロール比率のアップに役立つ。加熱調理はせず、ジュースの仕上げに
        少し加える。

<おいしく作るポイント>

*3つのグループの中からひとつずつ選んでジュースにするとバランスのよい味に。

  @酸味のあるもの(かんきつ類・パイナップル・キウイ・トマト等)
  A甘味のあるもの(いちご・ブルーベリー・ぶどう・バナナ・桃・りんご等)
  B苦味のあるもの(緑黄色野菜 : ブロッコリー・小松菜・ほうれん草・セロリ等)

健康長寿を実現するためには、脳や体の酸化を防ぐことが大切です。
日々の生活の中で、抗酸化力の強い食材を効率よく摂取するために、スープやジュースの力をしっかり活用しましょう。

村上記念病院糖尿病チーム
村上記念病院
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