◆村上記念病院糖尿病新聞 2010年6月11日発行
お酒の飲める人、飲めない人
講師: 村上記念病院 村上重人先生

お酒(アルコール)を飲むと、大部分が吸収され血流にのって肝臓へ。そこでアルコール脱水素酵素(ADH)によりアセトアルデヒトに分解され、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH1型、2型)により酢酸と水に分解されます。
アセトアルデヒドは毒性が強く、飲酒したときに頭痛、吐気、動悸などを引き起こす原因物質です。これはALDHにより分解されますが、日本人含む黄色人種はALDH2低活性型の人が多いため、全く飲酒できない人、飲めても悪酔いする人がいます。


●ALDH活性+ADH低活性: アセトアルデヒドが分解されるので悪酔いしないが飲みすぎてしまう。アルコール依存症になりやすい。
●ALDH低活性+ADH活性: アセトアルデヒドが蓄積しやすい。無理に飲むと慣れてくるが肝硬変や癌のリスクが上がる。(喫煙しているとさらにリスク大!)

<<アルコールパッチテストで体質チェック!!>>

  1. 絆創膏に消毒液エタノールを2〜3滴たらす。
  2. 腕の内側に貼り、7分間おいておく。
  3. 絆創膏をはがし、皮ふの状態を判定する。

判定基準

@7分後 赤くなる→全く飲めない体質。ALDHがほとんど働かない。少量の飲酒でも危険。
急性アルコール中毒に注意。

変化なし→絆創膏をはがして10分おく。

A10分後 赤くなる→本当は飲めない体質。ALDH低活性。赤くなりながらも飲む。
肝臓を壊しやすい。

変化なし→飲める体質。ALDH2が働くため、悪酔いしないが飲みすぎてしまう。
アルコール性肝疾患や依存症に注意。

アルコールはもともと体に必要のないものです。そのため体内には解毒する分解経路が存在しています。飲み過ぎないように気をつけましょう!!
村上記念病院糖尿病チーム
村上記念病院
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