◆村上記念病院糖尿病新聞 2006年2月24日発行
血糖値に影響する薬について知っていますか?
日本糖尿病学会専門医 五島 彩


〜他の病気で薬を飲む場合〜

糖尿病の分類

1.1型糖尿病
2.2型糖尿病
3.遺伝子異常による糖尿病
4.妊娠糖尿病
5.二次性糖尿病
   膵疾患による糖尿病  内分泌疾患による糖尿病
   薬物による糖尿病  その他の稀な疾患に伴う糖尿病
 

<薬物による糖尿病>

1.グルココルチコイド(ステロイド)

 自己免疫疾患(関節リウマチ、喘息、膠原病など)で非常に多く用いられている免疫抑制剤。
効果が高く有用な一方、多彩な副作用を有する。肝臓、末梢の糖利用や糖新生、インスリン作用に影響して血糖を上昇させる。

ステロイド治療に伴う糖尿病=治療者の約8%
*60歳以上の高齢者の方、糖尿病家族歴のある方、境界型糖尿病と診断されている方は要注意飲む量が増えるほど、血糖も上がりやすい。

2.インターフェロン

サイトカインの一種。
細胞増殖抑制、免疫調節、ウイルス増殖抑制効果。
慢性肝炎(B型、C型)、多発性骨髄腫、白血病等に対し投与される。

インスリン抵抗性を増加させ、耐糖能の悪化を見る。
また、投与中に膵島細胞抗体が出現し、1型糖尿病と
同様に膵β細胞を破壊される症例もある。

耐糖能異常の発生頻度は0.26%(実際はそれ以上)。

<その他>
・サイアザイド系利尿薬(フルイトランなど)
・β遮断薬(テノーミン、メインテート、セロケン、インデラルなど)
・α,β作動薬(カタプレス、リズミックなど)
・ホルモン剤(エストロゲン、プロゲステロン、グルカゴンなど)
・抗けいれん薬(アレビアチンなど)
・ 他抗癌剤、抗生物質(カリニ肺炎・結核など)、ニコチン酸など

血糖低下作用のある薬剤
・アスピリン *市販の感冒薬に入っている場合あり!
              シックデイで食事摂取不十分なときには内科に相談を。
・ACE阻害剤 (レニベース、エースコール、カプトリルなど)
・アンギオテンシンU受容体阻害剤
          (ブロプレス、ニューロタン、ミカルディス、ディオバンなど)
・抗不整脈剤  ・高脂血症治療剤  ・他多数

他院でもらっているお薬があれば必ず主治医にご報告ください!
<基本的なシックデイ ルール>
(シックデイ:普段と違う体調が不良、他の病気になった状態)

  1. 温かく安静に
  2. 早めの受診あるいは連絡
  3. 病状のチェック
  4. 食事、水分、電解質をとる努力

 

当院6階「多目的ホール」にて、健康教室が開かれております。
今回も多数の方がご出席されました。講演の後、食事会(管理栄養士による)も開催されました。
要予約ですが、どなたでも参加できます。内科外来にてお問合せ下さい。

H180224(金) 五島 彩 先生講演

 

 村上記念病院糖尿病チーム

村上記念病院
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