◆村上記念病院糖尿病新聞 2004年12月17日発行
筋肉と基礎代謝のおはなし
内科医 五島

・・・運動療法の目的って何でしょう?

 
糖尿病の治療には、 1 食事療法
2 運動療法
3 薬物療法の他に
生活習慣の改善(非薬物療法)一番大切な基本の治療

◎なぜ食事療法だけではいけないの?
 
・食事を減量して
 カロリーを減らす
→ 体重減少 内訳:脂肪75% 食事を極端に減らし続けると
             筋肉25% 筋肉がどんどん落ちます
・食事が増える → 体重増加 内訳:脂肪100%

◎運動が糖尿病に及ぼす影響
 1 急性効果:筋肉でブドウ糖、脂肪酸の利用が促進され血糖が低下する
 2 慢性効果:脂肪の減少、筋肉の増加によりインスリンの効きがよくなる

◎運動療法の目的とは
 運動でカロリーを消費することではなく正しく筋肉をふやして代謝、活動性を上げていくことです。

◎基礎代謝とは? 基礎代謝=BM(basal metabolism)
基礎代謝は生命を維持するために必要なエネルギーで、通常1日の総消費エネルギーの約70%を占めています。基礎代謝量が多い人は脂肪が燃えやすい体、少ない人は脂肪が燃えにくい体と言われます。
基礎代謝は筋肉を中心に消費されますから、同じ体重でも体脂肪率が低く筋肉量の多い人の方が基礎代謝は高くなります。

 
◎基礎代謝の高い人、低い人 ◎基礎代謝を高めていくには
  1.筋肉をつける
ラジオ体操、ストレッチ・・
十分効果があります。筋肉がある程度ついてから有酸素運動(歩く)を始めるとよりカロリー消化に効果的!筋肉を作る。 たんぱく質を摂りましょう

2.体温を高める
身体を暖める食物を積極的に摂りましょう。しょうが、にんにく、スパイス類など

3.気温の変化に対応する
温度を高くしていると身体が熱を産生しません。エアコン、ヒーターの温度は低めに。ただし身体を冷やさないように!

 村上記念病院糖尿病チーム
 

村上記念病院
前へ戻る次へ