◎なぜ足の観察が必要か?
糖尿病患者さまやご高齢の方などは、視力障害や感覚マヒのため、ケガをしやすく、足の血行不良なども合わさって、足病変(足の病気)になってしまうことがあります。神経障害を伴うため、傷ができても気付かないことが多く、早期発見が遅れます。
はじめは小さな傷が細菌感染を起すことから始まり、最終的には足の切断など重篤な事態に悪化してしまうこともあります。日頃から足に関心を持ち、以上の早期発見に努めることが大切です。
◎どのような足病変があるか
壊疽・潰瘍・白癬・爪白癬・動脈硬化・やけど・巻き爪・靴擦れ・たこ・うおのめ etc.
◎壊疽・潰瘍にならないために
(1)爪切りの方法
爪は深く切り過ぎない。指と直角になるように一直線に切り、角は残します。
切った断面は靴下に引っかからないように、ヤスリをかけて滑らかにします。
見えにくい時や自信のない時は、家族や看護師に爪を切ってもらいましょう。
(2)たこうおのめは自分で削らない
スピール膏やカッター、カミソリで自己処理すると、傷をつくり、感染の危険があるので必ず医師や看護師の適切な処置を受けましょう。足裏用・爪用のガラスやすりだと、傷を付けずに処理しやすいです。
(3)やけどに注意
低温やけどの原因となる暖房器具はできだけ使用しない。使用する場合は、直接皮膚に当てない。
距離を置くか、タオルなどを巻いて間接的に暖めるetc.
毎日の足浴
血液の循環がよくなるので、毎日足浴を行うことをお勧めします。清潔を保つという面からもそうですが、何より足浴の際に足の観察を行うこともできます。
・準備するもの
足浴用の洗面器・バケツ
水温計(湯温をはかる)
保湿クリーム
タオル2枚(やわらかくて清潔なもの)
時計・ストップウォッチ(時間をはかる)
炭酸バブなどの市販の入浴剤 (炭酸泉となり、より血行改善につながります)
☆お部屋です足浴をする場合は、濡れないようにビニールシートなどを敷くとよいです。
・方法
バケツなどに足首がつかるぐらいの深さまで、38〜39℃のお湯を準備します。
必ず温度を測るようにしましょう。
炭酸バブなどを入れると、血行改善の効果が上がり、また香りも楽しめます。
足をお湯につけ、15分間足浴をします。足をお湯につけている間は、指を開いたり閉じたりと運動したりすることで、血行改善効果があがります。また、テレビやラジオをつけて行うと、退屈せずに足浴できます。
15分経過したら、清潔なタオルで足と指の間の水分を十分にふき取ります。特に指の間に水分が残ると、水虫の原因になるのできちんと水分をふき取りましょう。
保湿効果を上げるためにも、保湿クリームを塗ると足浴後の足の湿潤が保てます。
※足の指の間にはクリームを塗らないようにしましょう。水虫の原因になります。
足浴後は足を冷やさないように注意しましょう。
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