◆村上記念病院糖尿病新聞 2007年8月24日発行
| 飲み薬には、膵臓からインスリンを出させ、体内のインスリン量を増やすことによって血糖値を下げるものと、インスリンを出さずに体内にあるインスリンをうまく利用させることによって血糖値を下げるものとがあります。 |
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［ スルホニル尿素(SU)薬 ］… オイグルコン・ダオニール・アマリール
膵臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を促進し血糖値を下げます。即効性がないので食後の高血糖の抑制は不十分。
［ 速効型インスリン分泌促進薬 ］… グルファスト・ファスティック
SU薬と同様に膵臓に作用してインスリンの分泌を促進し血糖値を下げます。また作用の発現が早くかつ作用の持続時間が短いので食後の高血糖を改善します。
インスリンを出さずに血糖値を下げる薬
［ αグルコシダーゼ阻害薬 ］… グルコバイ・ベイスン
消化管からの糖質の消化・吸収を遅延させ、食後の高血糖を抑制する。食事中の糖質の消化・吸収を遅延させる薬剤であるため食直前に服用。
［ インスリン抵抗性改善薬 ］… アクトス
・インスリン作用を増強し、主に筋肉や脂肪組織でのブドウ糖利用を促進し血糖値を下げる。
［ ビグアナイド薬 ］… メデット
・主に肝臓での糖新生を抑制、筋肉や脂肪組織での糖利用を促進し血糖値を下げる。
●低血糖について
脱力感や冷や汗、動悸、手足のふるえなどの低血糖の症状に気がついたらブドウ糖や砂糖を飲んでください。特にαグルコシダーゼ阻害薬を飲んでいる場合は砂糖では糖分がなかなか吸収されないため必ずブドウ糖を飲んでください。ブドウ糖は病院でももらえますし市販されてもいます。
●三位一体の薬物療法
| 厳格な血糖コントロールをすることで合併症の進展を防止することができます。薬物療法だけをきちんとやっても食事療法、運動療法をないがしろにしては薬の効果は十分に発揮できず良好な血糖コントロールはできません。３つの治療をきちんとおこない良好な血糖コントロールを目指しましょう。 |
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村上記念病院糖尿病チーム