村上記念病院活動だより

Activity of murakami

2024年10月25日 「排泄ケア勉強会」シリーズ 4 回目 在宅介護でのオムツの選択

講師:ユニ・チャーム株式会社様

【研修内容】

①ADL と失禁の程度から大きく 3 つのタイプに分けて考える
失禁の 4 症状
・腹圧性尿失禁 ・切迫性尿失禁 ・溢流性尿失禁 ・機能性尿失禁
ADL の状態
・軽度=自立している → 軽失禁ライナー 軽失禁パッド
・中度=1 人で歩ける 介助があれば(歩ける 立てる 座れる)
パンツタイプ
・重度=寝て過ごすことが多い ➝ テープタイプ

②3 タイプの失禁について
・軽度失禁・・・女性は 30 代以上では 3 人に 1 人は失禁を経験。男性では 50 代で 3 人に 1 人が経験している。専用のパッドを使用することで衣類を汚さず快適に生活を送れる
・中度失禁・・・アウターの問題と組み合わせの問題がある。最適な組み合わせは、アウターはパンツタイプでインナーがパンツタイプ専用の尿取りパッドが好ましい
・重度失禁・・・夜起こさない環境作りが大切であり、一度の交換で朝まで尿を吸収できる夜用パッド(大容量)の使用が好ましい

【研修を終えての感想】

当院で採用されているセットレンタルのオムツセットは、インナーもアウターも、それぞれ同一メーカーの物なので、組み合わせによる選択肢の多さや機能性が担保されているが、入院中に市販のオムツの持ち込みを選択する場合、もしくは退院後や在宅での介護を行うにあたり、その人に合った最適なオムツの選択という点で、医療従事者でない患者家族にはその判断が難しいケースがある。
市場には様々な症状に対応できるように、多種多様なオムツが売られているが、その人に合ったオムツの選択ができる知識がないと、その選択肢の多さが足かせとなり、間違ったオムツ選びに直結してしまう。
物価が高騰している現代では、オムツ代にかかる費用も家計の負担になるため、機能性よりもできるだけ安価な物を、と販売価格による商品の選別をする場合もあるだろう。安価であっても、本来、その人に必要とされる機能性が兼ね備えられているならば問題ないが、そうでない場合、ADL や失禁の度合いに対して不適切なオムツを装着することで、歩行の妨げによる転倒、排泄物の漏れによる汚染や、重篤な皮膚トラブルを招くこともある。その人に必要なオムツを選択できることは、病院であれ在宅であれ、その人間のQOL において非常に大切なことである。
と、それらしくまとめてはみたものの、そのことを医療従事者でない患者家族、特に新規で介護に関わるような人たちに対して、きちんと理解していただけるように説明するのは実は難しい。
今回の研修は、オムツメーカーならではの色々なデータを元に、非常に説得力のある説明がなされていて、現場で働く我々も大変勉強になったと同時に、家族さんへの説明の指標として活用できる素晴らしい研修だった。

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