村上記念病院活動だより

Activity of murakami

糖尿病の足病変とは

糖尿病の方に起きる、足の異常・トラブルを言います。

《原因》主に神経障害と血行障害によるものです。

神経障害があると、足に傷があっても知覚が鈍り病変に気づかず進行し、大きな傷になって気づき ます。

血行障害により、血管が細くなり血流が悪くなると、傷や潰瘍ができても治りにくく、重症になると壊疽になり、最悪足を切断することになります。

《症状》神経障害や、血行障害により様々な症状が出現します。

・足が冷たい、痺れる
・足指の感覚が鈍くなる
・足に傷がある、赤く腫れる、靴擦れが起きやすい
・足が傷つきやすく、治りにくい
水虫や皮膚のただれ、タコや魚の目がある
爪や足の変形、変色がある

足の状態をよく観察しましょう。 小さな傷でも早期に見つけて、足病変を発症重症化させないようにすることが大事です。

《検査方法》症状により検査方法が違います。

触診、視診)傷やタコ・魚の目がないか、変形や化膿した傷はないか、壊疽になっていないか診察 して確認します。

神 経 障 害)触覚検査、振動覚検査、アキレス腱反射、末梢神経伝道検査を行い、足の感覚が鈍く なると、傷や感染を見逃しやすくなるため、感覚マヒの位置や程度を調べます。

血 行 障 害)下肢上腕血圧比、下肢動脈エコー、CT・MRII、血管造影装置で、末梢動脈の動脈硬 化の位置や程度を調べます。

感 染 症)爪の変形、足の腫れ、膿の有無を診察して確認し、爪や皮膚の一部を採り、原因菌を 調べ感染レベルがひどいと血液検査や CT など画像診断を併用します。

 

《治療方法》糖尿病の様々な合併症を起こさない、悪化させないためにも重要です。

血糖のコントロ-ルを徹底的に行います。
*水虫や細菌が見つかった場合、菌の種類や病変の範囲や程度により、抗菌薬の塗布や抗生剤の投与をします。
*傷や潰瘍がある場合、体重をかけないようパットや足底板(治療用の中敷き)治療用の靴を使用 します。
*潰瘍や壊疽になり細胞が壊死している場合、死んだ細胞の部分を除去し、傷が治るのを促します。
*末梢動脈疾患の治療は血管の流れを良くする薬で治療し、薬で良くならない場合、血管造影を行 いながら、血管に細い管を入れ血管を広げる(カテーテル療法)や、狭くなった血管に金属の網 目状の筒を入れ、血液が流れるようにする(ステント療法)があります。
*壊疽が治療を続けても良くならない場合、命を守るために最悪足を切断することもあります。

足病変は何度も繰り返す病気です。

治療した後も、足の観察を続け、足が痛い、歩きにくい等症状が出た時は、すぐに病院に受診し 適切な治療を受けることも大切です。

足病変を予防するために、血糖値のコントロールはもちろん、患者様自身で足を手入れする (フットケア)ことも重要になります。 足に傷を作らないよう、日常生活の中で工夫できる、フットケアの方法を紹介します。

  • 毎日足を見て、触って観察する(入浴時、入浴後に隅々まで観察します)
  • 足の清潔を保つ(足指の間・足の裏も丁寧に洗い、優しく押さえ拭きで乾かします)
  • 爪は切りすぎない(深爪しない、巻き爪にならないよう、まっすぐ切ります)
  • 足に合った靴を履く(窮屈でなく足の形にフィットした靴を選びます)
  • 素足は避け靴下を履き、傷から足を守る(素足で靴を履くと傷や靴擦れができやすいです)
  • やけどに注意(こたつや湯たんぽ、電気カーペットによる低温やけどに注意しましょう)

ご自分でのフットケアは自信がないと思っている方、安心してください。

当院にはフットケア外来があります。

リンパマッサージの資格を持つスタッフが、足浴・爪切り・フットマッサージ(膝まで)を行って います。 是非一度試してみてください。

*土曜日/(月 2 回)・第 3 水曜日・第4木曜日の9時~16 時までです。 予約制となっています、受付にお声かけください。

ご自分での毎日のフットケアやフットケア外来を 利用することで、早期に足の異常やトラブル 見つけ、病院に受診し検査や治療を受けることは、 足病変の重症化を防ぐことになります

 

PDFのチラシはこちらから

日・祝
午 前
午 後
診療時間
午前 9:00~13:00 / 午後 14:00〜18:00
受付時間
午前 8:00~17:00(月、水、木、金曜)
午前 8:00~12:00(火、土曜)

※科目によって診療日時が異なります。
休診情報はこちらからご確認ください。