◆村上記念病院 糖尿病新聞 2015年06月25日発行
熱中症の予防法 〜楽しい夏を過ごしましょう〜
村上記念病院糖尿病チーム
  1. 熱中症って、どんな病気?

    日射病や熱射病を含む、暑い時の運動などで生じる障害のことをいいます。 体の中の熱と外の暑さや湿度が影響しあって引き起こされます。 また、暑い時に発生するというよりも、暑さに馴れていない場合に多く発生します。

  2. 熱中症の症状は?

    高熱(40度以上)であり、脈や呼吸が速い。 手や足のけいれん、腹筋が痛くなる。
    脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気、気が遠くなる(失神する)
    意識障害(うわごと、もうろうとする、意識不明)

  3. 熱中症のおこりやすいのは、こんなとき
    1. 熱中症が起こりやすい条件
      • 気温が高い。湿度が高い。(気温がそれほど高くなくても、湿度が高い時。雨上がり時など。)
      • 風が弱い。日差しが強い。照り返しが強い。輻射熱が強い。
      • 梅雨明けしたばかりの頃。熱帯夜の翌日。
      • 急に暑くなる日(前の日に比べて特に気温があがった時なども要注意)
      • アスファルトやコンクリートなどの人工面で覆われているところ
    2. 熱中症になりやすい人(熱中症によりかかりやすい条件を持っている方)
      • 体力の弱い人・高齢者・肥満の人・普段から運動をしていない人
      • 暑さになれていない人・過度の衣服を着ている人・病気の人、体調の悪い人
      • 性格的に我慢強い、まじめな人 ・以前に熱中症にかかったことがある人
    3. もし、熱中症になったら…
      1. 涼しい場所に運び、衣服を緩める。冷房のきいた部屋に運ぶ。あおげるもので、体に風を送る。
      2. 大きな動脈を氷のうで冷やし、冷水につけたタオルで末梢から中心へ向けてマッサージする。
      3. 冷やす基本は、意識が戻って「寒い」と言うまでは冷やすこと。
      4. 意識があり、補給ができるならば、冷たいスポーツドリンクや食塩の入った冷水(0.1%〜0.2%食塩水)を飲ませる。
      5. 筋肉のけいれんや痛みのある場合は塩分濃度の低下とみられるため、食塩水(0.9%)を補給する。
      6. 意識を失っていたり反応が鈍かったり、吐き気がある場合は病院へ急いで運ぶ。

      熱中症の初期段階で、一見軽症にみえても、処置がおくれると急変し、 死に至る場合もあるので、大事をとった対応が重要である

      〜0.1%ー0.2%・0.9%食塩水の作り方〜

      0.1〜0.2%→1リットルの水に、1gか2gの塩(ひとつまみ)を入れる 0.9%→1リットルの水に9gの塩(小さじ2杯弱)を入れる。

      〜冷却のコツ〜冷やすと効果的なポイント〜

      脇の下、首、脚の付け根といった場所は、太い血管が近くを通っているので、 ここを冷やすと体温を効果的に下げることができます。

    4. 熱中症を予防するために
      1. 水分補給をする。水分補給の基本は、一度に飲まず、こまめに補給!

        運動30分前に水を200〜300ml補給する。
        運動時10〜15分ごとに水を100〜200ml補給する
        運動後30分以内に水を200ー300ml補給する

      2. 体調を整えておく

        下痢、発熱など、体調が悪いときの運動はしない。
        活動中に定期的に反応をチェックし、手当てを早めに行う。 またおかしいと思ったら、無理をせず、申し出る。

      3. 環境条件を把握し、それに応じた活動ができるようにする。

        気温の高い日には、激しい急激な運動をさける。
        暑さに徐々に体をならすような運動計画を立てる。

      4. 服装に注意する。

        服装は汗を吸いやすく、空気を通しやすいもの、色合いも熱を吸収しないもの(白色)を着用する。 直射日光は、帽子等で防ぐようにする。

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