◆村上記念病院 糖尿病新聞 2015年01月23日発行
〜 冬脱水に気を付けよう 〜
講師:外来 看護師

「脱水症状」これって、冬もあるんですよ

夏は注意する傾向にありますが、冬になるとすっかり忘れがち。
冬は空気が乾燥しています。気温が低く、寒いから外に出ても汗を感じません。
そして、室内で暖房を付けていると湿度が低下してさらに空気が乾燥して
気付かないうちに身体から水分が抜けていくのです
夏場は「水分補給を!」とあちらこちらで言われますので、なるべく飲むようにしているかと思いますが冬場こそ!!水分補給が必要です。

高齢者が脱水になりやすい理由

  1. 筋肉量が低下する

    筋肉は体でもっとも多くの体液を含んでいる場所。 筋肉量の減少は体液の減少に直結しています。

  2. 喉の渇きを自覚しにくい

    喉の渇きを感じる「口渇中枢」の機能が加齢とともに下がり、喉の渇きを自覚しにくくなります。

  3. 全体的な食事量が不足する

    飲み物だけでなく、食べ物からも一日1000mlほどの水分と電解質を摂取しているので 加齢で食が細くなったり食べ物を飲み込む機能が低下したりすると水分が不足しやすくなります。

  4. トイレに行く回数を減らしたいから水分を取らない

    夜間などに頻繁にトイレに行くことを嫌がったり、介護者に気を使ったりした結果水分摂取を制限すると脱水症になりやすいです。

  5. 利尿作用を持つ薬を内服している

    高血圧や心不全の治療薬の中には尿を増やす利尿効果を持つものがあります。

その他不感蒸泄といって自分では感じてないけど、呼吸したりおしゃべりしてても水分は抜けています。

〜 一日に必要な水分量 〜

私たちは一日に約2.5lの水を体の中でやりくりしています。
体の水分量の2%が不足すると脱水症状が起こります。 2%はだいたい1500mlです。
なので、1500ml/日の水分補給が必要です。
排泄の失敗や夜間の頻繁なトイレを心配して必要な水分が摂取できていない場合があります。

日中(できれば2時くらいまで)に1000ml(1l)を目安に
水分摂取を心がけましょう

〜 脱水状態を見逃さない方法 〜

  1. 痰がからんだ咳を繰り返す

    水分の摂取が極端に少なくなると痰がからみやすくなります

  2. 脇の下に汗をかかない

    脇の下に手を当ててみてください。
    脇の下は湿っているのがふつうですが、脱水状態になるとその湿り気がなくなります。

  3. ハンカチーフサイン

    手の甲の皮膚をつまみ上げてチェックする方法です。
    正常な状態ならすぐにもどりますが、脱水を起こしていると、ハンカチをつまみ上げて離したようにしばらく戻りません。

さいごに
脱水は内臓、脳、筋肉などに影響していきます。
「冬場は脱水とは無関係」という意識が世の中にあまりにも多いのが怖いです。
ぜひぜひ「冬のほうが脱水になりますよ〜」と注意を促していただきたいと思います。

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村上記念病院糖尿病チーム
村上記念病院
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