◆村上記念病院 糖尿病新聞 2014年07月24日発行
認知症予防について

●認知症とは どういうものか?

★認知症の種類
認知症の種類には、脳梗塞や脳出血などにより引き起こされた脳血管性認知症や 脳の神経細胞が ゆっくりと死んでいくアルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、レビー小体病などがあります。

★どんな症状が出るの?
脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、など周囲で起こっている現実を正しく理解できなくなります。 また 本人がもともと持っている性格や環境、人間関係など様々な要因がからみ合って起こる、うつ状態や妄想といった心理面・行動面の症状もあります。

「加齢による物忘れ」と「認知症による物忘れ」の違い(一例)
加齢によるもの忘れ 認知症によるもの忘れ
体験したこと 一部を忘れる
例)朝ごはんのメニュー
すべてを忘れている
例)朝ごはんを食べたこと自体
もの忘れの自覚 ある ない
探し物に対して (自分で)努力して見つけようとする 誰かが盗ったなどと、他人のせいにすることがある
日常生活への支障 ない ある
症状の進行 極めて徐々にしか進行しない 進行する

●今日からできる認知症予防

認知症の予防法は食生活や習慣、運動、トレーニングなどいろいろありますが、最も大事だと言われている4つの要素があります。

  1. 食生活

    野菜、魚、果物を中心とした食事 和食が良い理由
    認知症予防に良いと言われている食物はなぜ和食に多いと言われるのでしょうか? それは血液中のコレステロール濃度を低くして動脈硬化のリスクを下げてくれるDHA、EPAなどの不飽和脂肪酸が魚や、野菜に多く含まれるからです。

  2. 運動

    一日 30分以上の運動(週3日以上)
    体操によって 認知症は改善されます。しかし 運動が苦手、運動したくても出来ない方もいると思います。 そこで室内でもできるラジオ体操やストレッチはとても有効だと思います。 最近拮抗体操が注目されていて、方法は両腕を突き出し右手と左手でジャンケンし、次に右手は胸に当てグー。 左手は前に突き出しパーを出す。 このように右手と左手別々な動きを10〜20回繰り返すなどの体操も効果的です

  3. 生活習慣(タバコ、酒、夜更かし)

    最近の研究で認知症とタバコや酒の関係が明らかになっています。 タバコは百害あって一利なしです。 自分のためだけでなく家族をも健康の害に巻き込む危険性があります。 節煙などと言わず家族や愛する人のために禁煙しましょう。 今まではただ、タバコは認知症に悪いらしいということでしたが、最近の情報(2014 年 6 月)で 「たばこを吸う高齢者は認知症になる危険性が 2 倍に」という結果が発表されました。

  4. 頭を使う

    脳のトレーニングはよく知られていますが、その他にもゲームや絵画、園芸なども認知症対策に 良いことが知られています。

まとめ…認知症を予防するには
  • なるべく家族とくらす。家族との会話が必要です。
  • 老後何か趣味持ち、いつも社会と交わること。
  • お友達とカラオケに行ったり 芝居を見たりなどして社交的に過ごす。
  • ウォーキング、ハイキング、体操をする。(脳の血流をよくする。)
  • 青魚、緑黄色野菜を食べる(血流良くする。)
  • 毎日新聞を読み 自分なりの意見や感想を持つ。
  • 日記書き お友達との手紙のやり取りをする。
  • 読書をする(音読が効果的)
村上記念病院糖尿病チーム
村上記念病院
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