◆村上記念病院糖尿病新聞 2006年9月6日発行
眼の加齢性変化
愛媛大学眼科学教室 高岡 明彦
・老眼  ・白内障 ・加齢性黄斑変性症
 
I.老 眼  老眼は誰もがなる“目の老化”です
老眼は40才前後から始まる誰もがかかる目の老化で、水晶体の調節力が弱まった結果、近いところが見えにくくなる症状を指します。“自分がまだ若いから”と無理をするといろいろ不都合が生じてきます。
老眼になると
近くが見えにくくなっているのに、
無理をしているとこのような症状
が現れます。
 
II.白内障
正常な水晶体は透明で、光をよく通します。しかし、さまざまな原因で水晶体の中身のたんぱく質が変性して、濁ってくることがあります。これが白内障です。水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。
術式 方法
白内障嚢内摘出術
(ICCE)
 
水晶体全体を摘出
白内障嚢外摘出術
(ECCE)
前嚢を切開し、核・皮質を摘出
超音波乳化吸引術
(PEA)
前嚢を切開し、超音波で核
・皮質を乳化・吸引
★ あてはまる方は眼科の先生に相談してみましょう。

III.加齢性黄斑変性症

加齢性黄斑変性(かれいおうはんへんせい)とは
網膜(もうまく)の真ん中にあり、ものの細かい部分や色を見分けるのに重要な部分である「黄斑(おうはん)」に異常が生じる眼の病気

失明につながる病気で、加齢(老化)が主な原因
 
自覚症状 (1)部分的に、または中心が暗く見える
(2)視界がゆがむ
(3)コントラストが低下する(ものが薄く見える)
(4)視力が急激に低下することがある
 

正常

中心が暗く見える(加齢性黄斑変性症)
治療 (1)レーザー(レーザーで異常な血管を焼く)
 → レーザー照射した場所の視力が欠ける
 → 正常な網膜も傷つける
(2)手術(メスで異常な血管を取り除くなど)
 → 身体的・精神的負担が大きい
(3)光線力学的療法(PDT)

* 正常な血管を傷つけず、異常な血管(新生血管)をふさぐ
* 比較的安全性が高い  *所要時間は20分弱

 


光線力学的療法(PDT)の注意点
保険が適用されるが、比較的治療費が高い
あくまで病気の進行を抑えることを目的とした治療法であり、視力の
 回復を期待する治療法ではない
   →視力が改善した症例もある
 

★ 詳しくは「眼科PDT研究会ホームページ」
www.pdti.jp

 村上記念病院糖尿病チーム

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